近海もの一本釣りの荒節(裸節)の一本ものです。
本節や亀節は、 カビ付け工程を3回から5回施した節です。カビ付けをした節は 「枯節」と呼びます。江戸時代前期の仕上節はカビの全く付いていない裸節でした。海上輸送で 流通していた当時、裸節の最大の問題点は節の劣化でした。長時間の輸送中に 悪性のカビが発生したり、節の酸化により味や香りが劣化します。そこで考案されたのが、 優良カビを節に付着させるカビ付けの技法です。優良なカビは鰹節内部の水分を取り除き 節を枯れさせ保存性を向上させます。
また、鰹節が含んでいる脂肪分を分解し、 香りを劣化させる成分を取り除くと同時により良い香りを鰹節に付けます。 その結果、枯節は裸節に比べまろやかな味と香りを醸し出すことができるのです。 一方、裸節は枯節に比べて味、香りともに鮮烈です。味や香りの好みで 枯節と裸節を使い分けてみてはいかがでしょうか。